下る。ほどなくして”カニのよこばい”の案内。
聞いた事あるけど「どんなとこ?どれどれ。」見たとたん、心拍急上昇。 「引き返そうか」自然とそんな言葉がわきあがる。どうやって進む。
鎖に手をかけたはいいが、先に見える岩場の切れ目に足を入れられない。足元を確保しないで鎖にぶら下がれとでもいうのか。ダメだ。
気を落ち着けて少し足元後ろを見ると、足が掛けられる小さな出っ張りが見えた。
頭の中でこの難所を通過するイメージができた。 「よし」 3点を確保しながら、慎重に進む。こんな緊張感は初めてだ。もっと難しい場所がこの先に待ち構えていたらどうしよう。通過しても、そんな緊張感がなかなかとれない場所だった。 12:35
剣山荘。牛丼、コーラ、水1Lで1400円。霧に包まれた山荘で腹を満たす。
13:10
スタート。コース上にある広いテン場を突っ切り、真砂岳方面に向かう。
軽快に登っていると、上から半そで短パンの中年親父が降りてくる。体格はよいが、短パンから伸びる足の艶や張りは鍛えられていることを物語っている。
同類の感じがしたのか、「どこまで行くの?」と声がかかる。話の流れで日本海から上高地まで行く話しをすると、「もしかしてあのレース?」 普通山登りに日本海はからまない。日本海は、このレースを象徴する一つの大事なキーワードとして登場する。
少しでも聞きかじったことがある者は、多分アルプス山中で日本海を聞いただけで、記憶の引き出しからこのレースのことを思い出すに違いない。 「がんばって」 先を急ぐ。
別山-剱御前の案内板。
本来 ”残雪期キケン” と書かれた巻き道を進まなければならないのに、キケンの文字に行ってはいけない場所と思い、剱御前方面に下り真砂岳への道を探す。
変だ。あきらかにおかしい。
コンパスを確認する。正反対。絶対に違う。間違いなく先ほどの ”キケン” の巻き道ルートだ。登り返し、別の看板をよくよく見ると、真砂岳の記載がある。
30分ほどのロスだったが、これで済めば御の字。はやめ早めのコンパス確認を心がけよう。
その4につづく・・・

