2009年08月11日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その1」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

街は祭りを迎える高揚感で満ちていた。

松本駅周辺にはこれから始まろうとしている”松本ぼんぼん”を楽しもうと大勢の人並みが駅から市街地へ繰り出していた。その駅からあふれ出る高揚感の中を、別なそれを携えながら真反対に駅の上り階段の真ん中をまっすぐに見上げながら登る。


7/29 PM



忘れ物はない? 歩くときは? 寝るときは? 食べるときは? 

各行動毎にイメージしながら何度もザックの荷物の出し入れを繰り返し確認する。


準備はしてきた。先日のビバーク講習会で事前準備の不安は払拭した。あとは実践だ。鈍行列車を何度も乗り継ぎ西魚津の駅を降りる。


新興住宅街か。暗闇の中からでも真新しい瀟洒な家がそこかしこに佇まっているのがわかる。コンビニ。水を1L調達しよう。だが、Volvic1Lより、2Lの天然水が安い。背負う重さのことはおいておいて、迷わず2Lを調達。


2100を過ぎているが、これから始まる長い旅を前に腹ごしらえ。満水のハイドラパックを仕込んだザックを背負う。重い。そういえば、水を入れた状態でザックを背負っていなかった。歩を進めると程無くスタート地点。ミラージュランド着。「ここか」施錠されたゲートの脇道を海へ向かう。きたぞきたぞ。ここがスタート地点の日本海。時計は2150。手を海に置く。


さあ旅の始まりだ。


まずは、CP1の馬場島を目指す。もってきた地図が不鮮明で現在地との照合がよくできない。ゼロックスの守衛さんに道を尋ねる。

「馬場島まで行きたいのですが?」

「この時間に?」

「何時間かかると思っている?」

「4時間くらいでしょうか?」

「4時間で着くわけないよ」


先に進む。どうにも道が正しいのか不安だ。YKKの工場。また守衛さんに聞く。


「馬場島?山道だよ」

「山にいくんです」

「......」


確認した道を先に進む。どうやら、道はあっているようだ。先に進む。走ろうと思うが、9Kg近い荷物を背負うことに慣れていないせいか、ほとんど走れない。この先長いし、山への足を残しておいたほうが良いなどと、言い訳を見つけながら歩き続ける。しかし歩いても歩いても馬場島の看板は出てこない。


早月川を横切る回数などを確認しながら不鮮明な地図で現在地を確認する。こんなに歩いてきて間違えていたらどうしよう。それならそれでいいじゃないか。道程を確認するための試走でもあるのだから。


そんなことを延々と考えながら歩を進める。しばらくすると照らすライトに反射する看板が見えた。馬場島の文字。 「これを待っていたんだ!」 がぜん、元気になる。あと12km。安心感につつまれながら、時折走りを入れて先に進む。小雨。天気予報は週末まで”くもり時々雨”の予報。今回の試走は、雨中での山生活の実践でもある。


やっとやっと馬場島。


とっくに日付は変わり300ジャスト。ゼロックスの守衛さんが正しかった。9割がた歩いたのでは5時間超もしかたがない。高度を上げているはずなのに、十分な水平距離のおかげで勾配を感じさせない、きちんと走れるコースだ。背負う荷物に慣れさえすれば、1時間は短縮できそうだ。


雨足が少しずつ強まる暗闇の中を炊事場、トイレ、テントサイトを確認。サイトの一角にモンベルのドーム型シェルターを張る。山中での不測がないように下界で確認する。1時間半ほど仮眠をとる。今度は炊事。お湯を沸かしサタケのマジックライスを仕込み、スープを飲む。ここでやるべき一通りの確認はできた。忘れ物はないようだ。


02_剣岳の石碑.JPG


剱岳石碑

04_早月小屋サイン.JPG


早月小屋1km

その2につづく

posted by TJAR at 14:09| Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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