2009年09月14日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その7」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

1835双六小屋着。よらずに樅沢岳を目指す。
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高度を上げると雨に突風。辺りは暗くなり始めるし、気持ちを萎えさせる天候だ。レインウェアのフードをしっかりとすると暖かい。ほどなくして、樅沢岳。
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西鎌尾根に入る。
雨は良いとしても濃霧だ。TIKKA XPを腹に巻き、ワイドにして足元を照らす。手にはsuperFire SF-301を持ち、先々を照らす。

だが、霧で反射し辺りの様子がまったくつかめない。千丈乗越までは一本道のはずなので、道を外れさえしなければ、問題ないはずだ。どんどん先に進む。時折広いところに出て、道が途切れるが、慎重に辺りを歩き回り、分岐がないことを確認し、その先にある道を見つけ進む。

道の横には雪渓がある。また、良さそうなテン場がいくつもあることも確認できた。先ほどの男性の言っていた通りだ。どんどん進む。 

「あれっ」、道が雪渓に覆われている。濃霧で先は全然確認できない。 ”さて、どうする?” 天然のテン場に戻り夜明けを待つか?。いや、道が向かっているだろう先に雪渓の上を歩いていこう。 ”もしそれが長かったら?戻ってこれる?” 不安を抱えながら、まっすぐに歩く。そうすると、濃霧の中を照らすライトが一筋の濃淡の違う様子を浮かび上がらせていた。道か?。緊張が解けていく。良かった。さらに進む。

また雪渓に覆われているではないか。迷わずまっすぐに行く。おかしい。あきらかにおかしい。斜面の様子や雪渓わきの様子を見ても、この先に道があるようには思えない。どうする?。一旦雪渓の前まで戻る。霧で目の前にしか届かない光で、丹念にあたりを探る。そうすると、先ほどあるいてきた道から山側に90度折れる先の雪渓斜面に、かすかな踏み跡が見えた。これか?、踏み跡を外さないように歩を進めると、程なくして道を発見。 「ふう」 疲れた。
 
先に進む。それにしても西鎌尾根は長い。しかも何の標識もない。暗く霧がたちこめ、見つけられなかっただけかもしれないが。

先に進むとやっとやっと千丈乗越の標識。おや、いつのまにか雨が止んでいるし、霧もなくなっているではないか。空を見上げると星空。さらに東に目をやると槍ヶ岳周辺の峻険な山容が暗いなかでもしっかりとそのシルエットで存在感を誇示しているではないか。

やっとここまできた。先ほどまでの試練を乗り越えてきたからこそ、今こうやって姿を現した槍ヶ岳にただ一人迎えられている。
 
うれしさで、高度を上げる足も幾分軽い。だが、まだまだ長そうだ。

緊張が解けたせいか、お腹もすいてきた。急ぐ必要はない。十分にこの夜を堪能しよう。止まってSoyJoyを食べると、遠く北側の谷にある雲海に稲光。音は聞こえない。ここはそのはるか上の別世界。星空で雷とは無縁だ。
「おう、流れ星。」随分と大きかったな。そんな夜を堪能しながら、槍ヶ岳山荘を目指す。
 

22
40槍ヶ岳山荘着。
ここなら携帯がつながるかもしれない。家族に無事を伝えよう。
それにしても風が強い。ここのテン場に泊まることも考えたが、高度を下げて良い場所を見つけよう。あとは下るだけだと思うと、20時間近く動き続けているのにもかかわらず、まだまだ動かせそうな感覚だ。
 
テン場を横切り下る。

しばらく下ると標識。
「あれっ、おかしい」地図を確認するとルートを間違っている。ただ、分岐があった記憶がない。それでも間違っているのは確実なので、気を取り直して、下ってきた道を登る。小屋の真ん中にくると、その目の前に下る道があるではないか。しかもそこには ”上高地” の文字が。もう迷わないですみそうだ。
 

どんどん下る。岩につけられたマークを確認しながらくだる。
「あれっ」 テンポ良くあったマークが途切れた。先に進むがマークがない。どういうことだ。一旦マークのある場所まで戻ろう。最後のマークまで戻り、辺りの岩場に次のマークを探すが見つからない。ふと雪渓に目をやると、しっかりとした踏み跡があるではないか。 「そうか対岸に続いているんだ」 雪渓を渡った先に道を発見。こういうこともあるのか。

しかし、あのまま沢を下っていったら、どこにいっていたのだろう。今回の旅では、来た道を何度となく戻った。その全てが戻って正解。そこにはしっかりと次への道が隠されていた。厳に勝手な思い込みはせず、慎重に事を運ぶことの大切さを痛感した。
 


どんどん下る。時計の針は1:00をまわった。そろそろ寝床を探すか。下りながら辺りを見渡すが、良い場所は見つからない。細い道は岩・石だらけだが、ちょうど一張り張れそうな場所があった。この狭い道に張ろう。

130就寝。

その8へつづく・・・

posted by TJAR at 07:38| Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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