2009年09月01日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その6」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

948薬師岳着。
朝仕込んでおいたアルファ米の残りを食す。行く先に薬師岳山荘が見える。
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20分休憩後、下り始めるとあっという間に山荘。よらずにつっきる。さらに下ると、疲れきり座り込んだ老夫婦が東の空を指差しながら
「山はあれでしょうか?」「薬師岳ですか?」「ええ」「いえいえあちらですよ」「あっそうですか。それではがんばって行くかね、ばあさん」彼らの指差した東側に見えるピーク。地図には ”昭和38年冬 愛知大学大量遭難地点” の赤文字が記されている。

薬師峠に入ると、そこは沢。
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沢を下るが、ところどころ、”増水していたらどうやって下るんだろう” という地点がある。天候によっては足を止められる要注意ポイントだ。薬師峠キャンプ場を横切り、太郎平小屋に向かう。
 1121太郎平小屋着。
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広い敷地のベンチには、何組ものパーティが昼食をとっている。カレーを注文しよう。高校生とおぼしきかわいらしい女の子が、「大盛りにしますか?」 大してお腹がすいていたわけでもないのに、つい 「それじゃあ、大盛りをください(1000)」 飲み物カウンターでダカラ(400)を頼む。カレーを待つ間、シェルターを拡げる。大盛りカレーに500ml飲料。しこたま重たくなった胃袋を抱えて11:47黒部五郎岳に向けて出発する。

曇り、なんとなく空模様があやしくなってきた。突然大粒の雨。仕舞い込んでいたレインウェアを取り出し着込む。その先雨は止んだり降ったりを繰り返す。

 黒部五郎岳の肩の分岐。
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霧が次第に濃くなってきた。北側カールルートをとる。後から気づいたことだが、 ”濃霧時は稜線ルートが良い” と地図に記載あり。その濃霧の中を川原と言っても良いカールを進む。だだっ広いカールだが、道を外れないように濃霧中でも視認できるマークがテンポ良く現れ、不安はない。
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雨足がどんどん強まる。黒部五郎小屋に向かうパーティをいくつか追い越す。もうすぐ小屋だろうと思われる場所に、足並みが揃わないご一行様が足の遅い方を待っているようだ。疲れ切り雨で冷え切ったせいか、引きつった表情の男性が、
「小屋はまだでしょうか?」「もうすぐだと思いますよ」このルートは地図からイメージするよりも長い感じだ。なかなか小屋が現れないことに、苛立ち始めるのも、パーティの状況から頷ける感じだ。

1540 雨の中、黒部五郎小屋着。
若い小屋の主人が、
「お泊りですか?」「いえ」「テントですか?」「いえ」「まだ、この先進みます。」主人の顔色が変わる。「もしかしてレースですか?」「いえ、単独で歩いているだけです。」ますます怪訝な顔つきとなる。忙しい時間帯だが 「何か暖かいものを頼めますか?」 ラーメンならできるというので、コーラと合わせて注文する。横でやり取りを聞いていた一日限りの手伝いをしているという男性が、「ザック小さいね?」一通りの荷物が入っていることにしきりと関心する。「俺なんか70Lがぱんぱんで、20kg以下にしたいと思うが、無理だな。」経験豊かと思われるこの男性にいろいろと聞いてみる。槍ヶ岳まで難所はないこと、西鎌尾根には天然ビバークポイントはいくつもあること、心強かったのは「大丈夫、この時期凍死することはないよ、その装備があるなら心配ない。寒かったら歩いていれば良いしね。水だって雪渓から作れるし、この雨だからコッヘルをおいておけば、すぐたまる。」ラーメンをいただき先を急ごうとすると、主人が「どこまで行くのですか?」「槍ヶ岳までは行きたいと思っています。」雨足が強くなる外を見ながら、「これからさらに下り坂という連絡が入っています。雷だって落ちるかもしれない。小屋はそんなときに泊める義務があるんです。行くなら、それは自己責任。ただし、何かあったらすぐに戻ってきてください。」ありがたい言葉をいただき、1610小屋を出る。 斜度のある斜面を三俣蓮華岳方面を登る。下ってくるパーティが「双六までかい?」「いえ、槍ヶ岳」「ふぇー、上には上がいるもんだ。」上も下もないと思うが、山での常識とは離れた行動をしていることは自覚しておこう。先に進むと三俣蓮華分岐。
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写真の通り、標識が2つある。なぜか黄色の古ぼけた三俣蓮華岳を指す方向に向かう。踏み跡はあるが、少し進むとあきらかにおかしいことに気づく。引き返し、新しい標識を見る。それは先ほどとは少し方向の違う谷を指している。どうやらこちらが正しいようだ。

その7につづく・・・
posted by TJAR at 07:30| Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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