2010年03月15日

トランスジャパンアルプスレース2010選考会要項発表

お待たせいたしました。
トランスジャパンアルプスレース2010の選考会要項ができましたので、今年大会出場を考えている方は、添付資料を基に、是非ともご参考にしてください。

TJAR選考会要項 .pdf


TJAR 2010申込み書.xls

なお、ご質問がございましたら、添付要項の「問い合わせ」までご連絡ください。

P8160200.JPG
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2009年10月02日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その9 最終章」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

900 バスターミナルを出る。
松本駅を目指す。昨日の長い行動、短い睡眠時間。通常なら走る気は起こらない。不思議なものでまだ3分の1と思うと、始まったばかりのような感覚。体もいたって元気。足も問題ない。気になるのは、雨で濡れたシューズ。この中の若干ふやけた足に致命的なダメージが起こらないことを願う。

日本海から馬場島まではほとんど歩いた。重たいザックを背負うことに慣れていないことが主因だ。このロード区間は、そのザックを背負った状態で走る感覚を磨くことを目的としている。歩きをところどころ入れながらできるだけ走る。雨が再度降り始めた。レインウェアを羽織る。鎌トンネルの前にきた。ハンドライトを取り出そう。 ”どうしたことか” 入れてあるはずの場所にない。

しばし行動を振り返る。そういえばシェルターの天井にくくりつけて灯りをとっていたが、それを片付けた記憶がない。ザックの奥からシェルターを取り出し、袋の外から握ってみると、確かに細長い硬いものがある。この中だ。バスやタクシーが通る横でシェルターを拡げ、ライトを取り出す。
 鎌トンネルを過ぎいくつかトンネルを越えたころ、突如左足小指に痛みが出た。こんなところを痛めたことはなかったな。靴を脱ぐと原因がすぐにわかった。靴下。濡れている靴下が縒れており、フヤケタ小指の皮膚ががその縒れにそっている。そんな状態で走り荷重をかけてきたものだから、そこが裂傷している。キズパワーパッドを処置する。とりあえず他は大丈夫そうだが、フヤケタ状態でどこまで持つか不安だ。念のためCompeedで両足の親指小指をガードする。

走り始める。少し痛みはあるが、どうってことない。十分に走れる。気がつけば背中のザックがあまり気にならなくなっている。馬場島まではあれほど重いと感じていたのに。確かに水の量は少ない。食料も大分減った。だがまだしっかりと重さはあるはずだ。慣れてきたようだ。
 トンネルの中の段差ある歩道(?)は、上高地から離れるほどに狭くなっている。場所によっては、歩くことさえ困難なつくりだ。車がきていない間に車道をハイスピードで進み、車が来ると退避。そんなことを繰り返しトンネルを通過する。さわんどでコーラ休憩(1100)。 奈川渡ダム(1225)。喫茶店。
汚い格好のうえに雨の中を走ってきてぐしゃぐしゃ。店に入るのは若干ためらわれたが、嫌な顔せず迎えてくれたので、そのまま入る。レーズンパンとラーメンセットを注文。しばし休憩の後、再開。

TJARのルートは一旦ここまで。ここからは松本方面に下る。しばらくすると道の駅。そのまま通過でもよかったが、コーラ休憩にする。ここには天然水が出る蛇口がある。ハイドラパックの水を入れ替えようかと思いそれに手をかけたが、面倒になってやめた。一口口に含みその場を後にする。
 上りは歩こう。走り続けるほどに上りが恋しくなる。上りを無意識に歩いているといつの間にか平らになっている。いかんいかん走るんだ。

波田町に入る。”河岸段丘に味なまち” の標語。いったい誰が考え、誰がそれを採用したのか。意味はわかるが、誰に向けた言葉だ。河岸段丘など地質学者以外にどれほど興味があるだろう。味なまち?いたるところ味なまちだ。あっちを立てればこっちが立たないのはわかるが、波田町=スイカ。それを前面に出すべきだ。スイカ目当ての客がくれば、その他の ”味なもの”にも自然と目がいく。わかりやすい一点集中で集客すべきだ。走りながら、そんなつまらないことを考えている。
 そういえば、この先の7-11の併設でうまそうな鯛焼き屋があった。数ヶ月前に立ち寄ったときは、10分ほど待たなければいけないというので、味わうことなく通り過ぎてしまった。そこで小休止しよう。

鯛焼き屋。メニューに 夏限定 ”冷やし鯛焼き” の文字。それを注文する。鉄板の上からではなく冷蔵庫から透明のラップにくるまれた鯛焼きが出てきた。ほおばる。うまうま。もっちり皮の中は餡とクリームの絶妙なハーモニー。どこかで聞いたことがあるようなセリフそのまま。本当においしい。

7-11でアクエリアスを購入し、身支度を整え再出発。疲労がでてきたようでスピードがあがらない。坂道もほとんどなくなり、歩きを入れるポイントがなくなる。思わず、 「3つ目の信号まで行き小休止」 などと、休憩ポイントを都合のよいように設定する。
 松本インターまで何kmの看板が出てきた。松本駅はそのすぐ先だ。まずは、インターを目指そう。そう思うとなぜかこみ上げるものがある。昨年初めて出場したウルトラマラソン野辺山100km。後半、腸脛靭帯を痛めて歩き通した。

残り3kmの看板を見たとたんに、顔がくしゃくしゃになった。こらえようとしても、断続的に自然と湧き上がる気持ちに揺さぶられる ”くしゃくしゃの顔” を平静を保つように制することはできず、ゴールを越えた。似たような感覚だ。ただ、これは序章だ。始まりに過ぎない。そう思うと気持ちが引き締まる。
 松本インターを越える。後少しだ。足取りはとたんに軽やかになり自然とペースが上がる。浴衣やお揃いの法被をきた人たちが増え始めた。今日は松本ぼんぼん。一人異様な出で立ちでその中を駆ける。 1650 松本駅着。
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この旅の最終目的地。2日と20時間の旅が今終わった。
 「顔が濡れているのは雨のせいかい?」「いや、泣いているんだよ」「どうして?」「 ”はじめの一歩” が、とっても充実して、とてもとても ”大きな一歩” だったから」

おわり
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2009年09月20日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その8」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

8/1AM4:00頃。槍ヶ岳を目指す一行の足音が耳元に響く。少しの間、シュラフカバーでゆっくりするが、これからどんどん上がってくるに違いない。420起床。足の状態を確認する。

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全く問題ない。雨中の中でフヤケタ足も、少し安めば元通り。外に出てシェルターを張った場所を確認する。

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シェルターを畳み脇の川原へ移動する。湯を沸かしインスタントラーメンをこしらえる。


517河童橋に向け腰をあげる。
5分もたたないうちにテントが見えた。同類がいるではないか。
「あれっ」 近づいていくと何張りも。そこはババ平のキャンプ場。
やってしまった。あとわずか数分歩けばキャンプ場だった。昨夜はキャンプ場のことは全く頭になく、下りながら一張りのスペースをただただ探していた。シェルターに入ってしまえば、キャンプ場も道も同じ。たいして変わりはしない。
槍沢ロッジを抜ける頃あたりから、登ってくるグループが増え始めた。早い時間に会うパーティは登山者しかりとしているが、下るほどに軽装でピクニック的な装備のご一行が増える。
横尾山荘のトイレの前の手洗い場。水を止めずに流しているカラン。3日ぶりに頭に水をかけ、素で洗う。気持ちいい。先を急ごう。
登山者が見えなくなると走りをいれ、先に見えると歩きにかえる。それをずーっと繰り返す。前方から二人の若いトレイルランナー。かなり速いペースで走り去っていく。徳沢を越える。それにしても長いな。横尾から河童橋までは、登山者の少ない時間帯に走りで通過したいものだ。
 815 上高地河童橋着。
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今日は土曜日。多くの観光客が、美しい山容を誇る穂高岳を青く澄み切ったこの梓川に吊られる河童橋に立ち望む。

北アルプスを越えてきた。これまでの道程を振り返りながら、肉まんなどを食す。
いろいろと失敗した。道も何度か間違えた。濃霧の中雪渓に道が覆われていたときは前進は無理だとも思った。ただ、それらの苦難は間違いなく本戦でも起こりうることだ。それらを前に前進を止めていては、感覚を研ぎ澄ますことはできないだろう。

無謀?いやそれは違う。起こりうるあらゆる結果を想定しながら、確実に歩を進めた行為だ。間違いは素直に認め戻る。先の見えない道程を、可能性のない選択肢をつぶしながら、選択された道がより正しいであろうことを確認しながら進めた。

山歩きを始めたばかりの初心者だ。これで十分な経験が積めたなどとは思わない。しかし、濃密であり一瞬一瞬が今後につながる経験の連続だったことは確実に言える。そんな自信がついた北アルプス越えだった。


その9へつづく・・・

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2009年09月14日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その7」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

1835双六小屋着。よらずに樅沢岳を目指す。
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高度を上げると雨に突風。辺りは暗くなり始めるし、気持ちを萎えさせる天候だ。レインウェアのフードをしっかりとすると暖かい。ほどなくして、樅沢岳。
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西鎌尾根に入る。
雨は良いとしても濃霧だ。TIKKA XPを腹に巻き、ワイドにして足元を照らす。手にはsuperFire SF-301を持ち、先々を照らす。

だが、霧で反射し辺りの様子がまったくつかめない。千丈乗越までは一本道のはずなので、道を外れさえしなければ、問題ないはずだ。どんどん先に進む。時折広いところに出て、道が途切れるが、慎重に辺りを歩き回り、分岐がないことを確認し、その先にある道を見つけ進む。

道の横には雪渓がある。また、良さそうなテン場がいくつもあることも確認できた。先ほどの男性の言っていた通りだ。どんどん進む。 

「あれっ」、道が雪渓に覆われている。濃霧で先は全然確認できない。 ”さて、どうする?” 天然のテン場に戻り夜明けを待つか?。いや、道が向かっているだろう先に雪渓の上を歩いていこう。 ”もしそれが長かったら?戻ってこれる?” 不安を抱えながら、まっすぐに歩く。そうすると、濃霧の中を照らすライトが一筋の濃淡の違う様子を浮かび上がらせていた。道か?。緊張が解けていく。良かった。さらに進む。

また雪渓に覆われているではないか。迷わずまっすぐに行く。おかしい。あきらかにおかしい。斜面の様子や雪渓わきの様子を見ても、この先に道があるようには思えない。どうする?。一旦雪渓の前まで戻る。霧で目の前にしか届かない光で、丹念にあたりを探る。そうすると、先ほどあるいてきた道から山側に90度折れる先の雪渓斜面に、かすかな踏み跡が見えた。これか?、踏み跡を外さないように歩を進めると、程なくして道を発見。 「ふう」 疲れた。
 
先に進む。それにしても西鎌尾根は長い。しかも何の標識もない。暗く霧がたちこめ、見つけられなかっただけかもしれないが。

先に進むとやっとやっと千丈乗越の標識。おや、いつのまにか雨が止んでいるし、霧もなくなっているではないか。空を見上げると星空。さらに東に目をやると槍ヶ岳周辺の峻険な山容が暗いなかでもしっかりとそのシルエットで存在感を誇示しているではないか。

やっとここまできた。先ほどまでの試練を乗り越えてきたからこそ、今こうやって姿を現した槍ヶ岳にただ一人迎えられている。
 
うれしさで、高度を上げる足も幾分軽い。だが、まだまだ長そうだ。

緊張が解けたせいか、お腹もすいてきた。急ぐ必要はない。十分にこの夜を堪能しよう。止まってSoyJoyを食べると、遠く北側の谷にある雲海に稲光。音は聞こえない。ここはそのはるか上の別世界。星空で雷とは無縁だ。
「おう、流れ星。」随分と大きかったな。そんな夜を堪能しながら、槍ヶ岳山荘を目指す。
 

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40槍ヶ岳山荘着。
ここなら携帯がつながるかもしれない。家族に無事を伝えよう。
それにしても風が強い。ここのテン場に泊まることも考えたが、高度を下げて良い場所を見つけよう。あとは下るだけだと思うと、20時間近く動き続けているのにもかかわらず、まだまだ動かせそうな感覚だ。
 
テン場を横切り下る。

しばらく下ると標識。
「あれっ、おかしい」地図を確認するとルートを間違っている。ただ、分岐があった記憶がない。それでも間違っているのは確実なので、気を取り直して、下ってきた道を登る。小屋の真ん中にくると、その目の前に下る道があるではないか。しかもそこには ”上高地” の文字が。もう迷わないですみそうだ。
 

どんどん下る。岩につけられたマークを確認しながらくだる。
「あれっ」 テンポ良くあったマークが途切れた。先に進むがマークがない。どういうことだ。一旦マークのある場所まで戻ろう。最後のマークまで戻り、辺りの岩場に次のマークを探すが見つからない。ふと雪渓に目をやると、しっかりとした踏み跡があるではないか。 「そうか対岸に続いているんだ」 雪渓を渡った先に道を発見。こういうこともあるのか。

しかし、あのまま沢を下っていったら、どこにいっていたのだろう。今回の旅では、来た道を何度となく戻った。その全てが戻って正解。そこにはしっかりと次への道が隠されていた。厳に勝手な思い込みはせず、慎重に事を運ぶことの大切さを痛感した。
 


どんどん下る。時計の針は1:00をまわった。そろそろ寝床を探すか。下りながら辺りを見渡すが、良い場所は見つからない。細い道は岩・石だらけだが、ちょうど一張り張れそうな場所があった。この狭い道に張ろう。

130就寝。

その8へつづく・・・

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2009年09月01日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その6」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

948薬師岳着。
朝仕込んでおいたアルファ米の残りを食す。行く先に薬師岳山荘が見える。
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20分休憩後、下り始めるとあっという間に山荘。よらずにつっきる。さらに下ると、疲れきり座り込んだ老夫婦が東の空を指差しながら
「山はあれでしょうか?」「薬師岳ですか?」「ええ」「いえいえあちらですよ」「あっそうですか。それではがんばって行くかね、ばあさん」彼らの指差した東側に見えるピーク。地図には ”昭和38年冬 愛知大学大量遭難地点” の赤文字が記されている。

薬師峠に入ると、そこは沢。
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沢を下るが、ところどころ、”増水していたらどうやって下るんだろう” という地点がある。天候によっては足を止められる要注意ポイントだ。薬師峠キャンプ場を横切り、太郎平小屋に向かう。
 1121太郎平小屋着。
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広い敷地のベンチには、何組ものパーティが昼食をとっている。カレーを注文しよう。高校生とおぼしきかわいらしい女の子が、「大盛りにしますか?」 大してお腹がすいていたわけでもないのに、つい 「それじゃあ、大盛りをください(1000)」 飲み物カウンターでダカラ(400)を頼む。カレーを待つ間、シェルターを拡げる。大盛りカレーに500ml飲料。しこたま重たくなった胃袋を抱えて11:47黒部五郎岳に向けて出発する。

曇り、なんとなく空模様があやしくなってきた。突然大粒の雨。仕舞い込んでいたレインウェアを取り出し着込む。その先雨は止んだり降ったりを繰り返す。

 黒部五郎岳の肩の分岐。
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霧が次第に濃くなってきた。北側カールルートをとる。後から気づいたことだが、 ”濃霧時は稜線ルートが良い” と地図に記載あり。その濃霧の中を川原と言っても良いカールを進む。だだっ広いカールだが、道を外れないように濃霧中でも視認できるマークがテンポ良く現れ、不安はない。
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雨足がどんどん強まる。黒部五郎小屋に向かうパーティをいくつか追い越す。もうすぐ小屋だろうと思われる場所に、足並みが揃わないご一行様が足の遅い方を待っているようだ。疲れ切り雨で冷え切ったせいか、引きつった表情の男性が、
「小屋はまだでしょうか?」「もうすぐだと思いますよ」このルートは地図からイメージするよりも長い感じだ。なかなか小屋が現れないことに、苛立ち始めるのも、パーティの状況から頷ける感じだ。

1540 雨の中、黒部五郎小屋着。
若い小屋の主人が、
「お泊りですか?」「いえ」「テントですか?」「いえ」「まだ、この先進みます。」主人の顔色が変わる。「もしかしてレースですか?」「いえ、単独で歩いているだけです。」ますます怪訝な顔つきとなる。忙しい時間帯だが 「何か暖かいものを頼めますか?」 ラーメンならできるというので、コーラと合わせて注文する。横でやり取りを聞いていた一日限りの手伝いをしているという男性が、「ザック小さいね?」一通りの荷物が入っていることにしきりと関心する。「俺なんか70Lがぱんぱんで、20kg以下にしたいと思うが、無理だな。」経験豊かと思われるこの男性にいろいろと聞いてみる。槍ヶ岳まで難所はないこと、西鎌尾根には天然ビバークポイントはいくつもあること、心強かったのは「大丈夫、この時期凍死することはないよ、その装備があるなら心配ない。寒かったら歩いていれば良いしね。水だって雪渓から作れるし、この雨だからコッヘルをおいておけば、すぐたまる。」ラーメンをいただき先を急ごうとすると、主人が「どこまで行くのですか?」「槍ヶ岳までは行きたいと思っています。」雨足が強くなる外を見ながら、「これからさらに下り坂という連絡が入っています。雷だって落ちるかもしれない。小屋はそんなときに泊める義務があるんです。行くなら、それは自己責任。ただし、何かあったらすぐに戻ってきてください。」ありがたい言葉をいただき、1610小屋を出る。 斜度のある斜面を三俣蓮華岳方面を登る。下ってくるパーティが「双六までかい?」「いえ、槍ヶ岳」「ふぇー、上には上がいるもんだ。」上も下もないと思うが、山での常識とは離れた行動をしていることは自覚しておこう。先に進むと三俣蓮華分岐。
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写真の通り、標識が2つある。なぜか黄色の古ぼけた三俣蓮華岳を指す方向に向かう。踏み跡はあるが、少し進むとあきらかにおかしいことに気づく。引き返し、新しい標識を見る。それは先ほどとは少し方向の違う谷を指している。どうやらこちらが正しいようだ。

その7につづく・・・
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2009年08月25日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その5」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

7/31AM 145起床。
体が芯から冷えている。お湯を沸かしアルファ米を仕込み、コッヘルにスープを溶く。冷えた体の中にそれを入れる。一筋の液体が流れる感覚を実感し、体全体が始動する。
深い眠りにつける状態ではなかったが、眠くはない。疲れも取れているようだ。ずーっと濡れていたシューズに入れていた足も問題はない。今日は長丁場だ。槍ヶ岳を越える。それまではよほどのことがなければ、ビバークしない。とにかく体を徹底的に動かす日だ。
 300 五色ヶ原のキャンプ場を出発する。
山荘がやっていれば水を補給したかったが、まだ起床時間には早いようだ。
背中の水は多くはないが、ちびちびやっているので減り方は極端に少ない。スゴ乗越小屋までは全然問題ないはずなので気にせず進もう。
あっという間に鳶山。あたりは真っ暗だ。先に進むと次第に空が白んできた。
18.JPEG

500夜明けだ。
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越中沢岳から西側の先にある谷は雲海に覆われている。
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体は至って快調。
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天気も悪くない感じだ。良い一日になりそうだ。
スゴの頭を超え、スゴ乗越小屋へ向けて下っていると、本日一組目のパーティと会う。「早いですね」これから皆始動を始めるところだが、こちらはすでに3時間以上歩いてきている。

647 テン場を横切りスゴ乗越小屋着。
カップラーメン(400)とコーラ(300)を注文する。
そういえばツェルトなどは大休止の際に広げて乾かすって言っていたっけ。昨夜はびしょびしょで不快な思いをした。少しの時間だけでも拡げよう。Skinsロングタイツなどをザックにくくりつけ、712小屋を出る。

「お気をつけて」言葉をありがたくいただき、先を急ぐ。間山を超え北薬師岳を登って行くとライチョウ発見。雛鳥も列を作って歩いている。
909北薬師岳着。
22.JPEG
 
”ここで雨なら稜線風雨。荒天時薬師越え厳し”地形的にここは風の通り道になっているようだ。今は晴れ。
薬師岳に向けて歩を進めると、先ほどまでとは違う風を受ける感覚。
「荒れたときは、難所に変貌を遂げるのか」

少しばかり実感した。

23.JPEG

その6につづく・・・

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2009年08月19日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その4」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

15:35
CP3
大汝山(立山)着。3015m。5分ほど休憩した後、補給ポイントの一ノ越山荘を目指す。山荘への最後の下りに小学生の集団。こんな山深いところに小学生?。地図を見ると西に少し下った先にバスターミナルがあるではないか。そういうことか。
19_大~1.JPG


16
15
山荘着。カップラーメンを食しポカリを体に流す。20分休憩。歩き進む。「あれっ」 グローブをしていない。そういえば、ザックの横においたまま忘れてきたようだ。ザックをその場におき、走って戻る。今回の山旅で一番速く駆けた場面だ。なにせ空身だ。五色ヶ原山荘を目指す。
20_一~1.JPG


龍王岳、鬼岳、獅子岳と名前のとおりの険しい山並みを進む。
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あたりは、これから夜を迎えようとする静寂さで帳に包まれていく。五色ヶ原山荘が見えた。
その前に人が立っており、
「泊まりですか?」「テン場をお願いしたいんですが」

「とりあえず中へどうぞ」

1900
山荘着。外の寒さとは別天地の暖かさ。ストーブからこぼれる火色が一層暖かさを演出している。ビール500mlを頼む。同い年くらいの小屋の青年()と歓談。
「その荷物でテントですか?」「ええ日本海から剱岳を越えてきました」横で聞いていた小屋の親父が 「あのレース?」ここでも日本海のキーワードが通じた。「いえレースではないんですが、そのコースをたどっています。できたら来年チャレンジしたいので」青年は興味津々で、次から次へと質問。楽しく会話をさせてもらい、テン場へ。

3張りの先着はすでに休んでいるようだ。暗闇の中にライトを照らし、雨中良さそうな場所を見つけドーム型シェルターをザックから取り出す。びしょびしょだ。濡れたシェルターに入るのはためらわれるがしかたがない。

ストーブをつけお湯を沸かす。シェルターの中が一気に暖まる。インスタントラーメンを胃袋に流し込む。体の芯から暖まる。寝支度を整えようと、Skinsのロングタイツを取り出す。こいつの筋疲労リカバリー性能はレースが終わるたびに体感している。この旅の友として欠かせないアイテムだ。

ところが、ゴアテックスのスタッフバックから取り出したそれは、しっかりと濡れている。足を入れてみるが、とてもじゃないが着られない。

生地がゴアテックスでも、縫い目の未処理や密閉できない袋では結露して当たり前。しかもこの雨だ。寝巻きにしようとしていたファイントラックの長袖スキンメッシュや靴下、シャツなどの着替えも濡れている。こんなことになるのは、これまでの未熟な経験をもってしても当然わかっていたはずだ。気の緩みだ。

仕方がないので、道中着てきた半そでのスキンメッシュにダウンジャケットを羽織2045就寝。なかなか寝付けない。しかも寒い。

寒さがじわりじわりと体を攻撃する。うとうとすると、その寒さで強烈な身震い。経験したことのない高周波でかつ大きな振幅で体が勝手に震える。それが断続的に起こる。寒さに対する体の反応だ。

よくよく考えてみれば、ごく薄のシュラフカバーの中で身にまとっているのは、上記のとおりでいかにも心もとない。そういえば ”持っている服は全て着込む” ということを言っていたっけ。

今日の明け方着ていたモンベルの長袖シャツは、スタッフバックに入れていなかったおかげで、そんなにも濡れていない。それとレインウェアを着込み再度シュラフカバーに潜り込む。寒いが、先ほどよりは、ずっとましだ。

その5につづく・・・

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2009年08月16日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その3」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

11:10
下る。ほどなくして”カニのよこばい”の案内。
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聞いた事あるけど「どんなとこ?どれどれ。」見たとたん、心拍急上昇。 「引き返そうか」自然とそんな言葉がわきあがる。どうやって進む。
鎖に手をかけたはいいが、先に見える岩場の切れ目に足を入れられない。足元を確保しないで鎖にぶら下がれとでもいうのか。ダメだ。
気を落ち着けて少し足元後ろを見ると、足が掛けられる小さな出っ張りが見えた。
頭の中でこの難所を通過するイメージができた。 「よし」 3点を確保しながら、慎重に進む。こんな緊張感は初めてだ。もっと難しい場所がこの先に待ち構えていたらどうしよう。通過しても、そんな緊張感がなかなかとれない場所だった。
 1235
剣山荘。牛丼、コーラ、水1L1400円。霧に包まれた山荘で腹を満たす。
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13:10
スタート。コース上にある広いテン場を突っ切り、真砂岳方面に向かう。
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軽快に登っていると、上から半そで短パンの中年親父が降りてくる。体格はよいが、短パンから伸びる足の艶や張りは鍛えられていることを物語っている。
同類の感じがしたのか、「どこまで行くの?」と声がかかる。話の流れで日本海から上高地まで行く話しをすると、「もしかしてあのレース?」 普通山登りに日本海はからまない。日本海は、このレースを象徴する一つの大事なキーワードとして登場する。
少しでも聞きかじったことがある者は、多分アルプス山中で日本海を聞いただけで、記憶の引き出しからこのレースのことを思い出すに違いない。 「がんばって」 先を急ぐ。

別山-剱御前の案内板。
17_%E5%88%A5%E5%B1%B1%E6%A8%99%E8%AD%98.JPG

本来 ”残雪期キケン” と書かれた巻き道を進まなければならないのに、キケンの文字に行ってはいけない場所と思い、剱御前方面に下り真砂岳への道を探す。
変だ。あきらかにおかしい。
コンパスを確認する。正反対。絶対に違う。間違いなく先ほどの ”キケン” の巻き道ルートだ。登り返し、別の看板をよくよく見ると、真砂岳の記載がある。
18_%E7%9C%9F%E7%A0%82%E6%A8%99%E8%AD%98.JPG

30
分ほどのロスだったが、これで済めば御の字。はやめ早めのコンパス確認を心がけよう。

その4につづく・・・
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2009年08月14日

TJAR試走 北アルプス編「はじめの一歩 その2」(ビバークトレーニング 横内忠之さん)

7/30 AM5:10
02_剣岳の石碑.JPG

北アルプス剱岳に向けて出発だ。そういえばカメラを持ってきていたのを忘れていた。とりあえず、剱岳の石碑を写す(上記)。

早月尾根に入り、FoxTrail110を取り出す。はじめてのストック体験。なんだこれは。足が軽い。こんなにも違うものか。漠然と”使えば楽なんだろうな”とは思っていたが、こんなにもとは。もともとは四足の動物。先祖がえりだ。すぐに4本足で進む感覚を得て軽快に歩を進める。雨足が強まりレインウェアを着込む。1600mのサイン。まだまだ先は長い。早月小屋まであと1kmの標識。

04_早月小屋サイン.JPG

先に進むと上から声が聞こえる。中年をとっくに過ぎた4人パーティ。
「日帰り登山だね?」TJARの中では最も大きな35Lのザック。普通の登山者には、日帰りにしか見えない。「上高地まで行きます」「.....」通じなかったかな。
ほどなくして早月小屋着。




8
15
コーラ400円。水は400/500ml。高い。馬場島で満水にしてきたので、コーラだけいただく。
GetThumb.jpg

8
30
剣岳にむけて腰をあげる。どんどん高度を上げると、ところどころに雪渓。しかも歩いている道の先が雪渓に覆われている。
04.jpg

地図上では北に小窓尾根と剣尾根がある。コンパスを見て特徴的な地形を確認する。
05.jpg

鎖場(下記写真)はあるが、どうってことなく通過する。
07.jpg

剱岳にあと少し。次第に緊張に強いられる場面が続くようになる。
鎖場.jpg

途中には赤茶けた道標。
08.jpg

長い年月の間、数多の登山者を案内してきた道標は、今は御役御免。

10:45
2999
CP2剱岳頂上。3000mに1m足りないこの場所で軽く食事をし、しばし休憩。
09.jpg

その3につづく・・・
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